2019/08/22 学習記録 保険医療人材評価/医療人類学

今日は休みで、リスニングを重点的に学習しました。

先日は、保健人材評価について書きましたが、今日は「医療人類学」についてです。

西洋医学では、この病気に対してはこの治療、薬はこれ、予防法でこうするということが、科学的根拠に基づいて実施・提供されています。日本に住んでいると、処方された薬を飲むことや、子供に決まった時期にワクチンを与えることは、ごく一般的なことの様に思えます。

しかし、これが海外に行くと当たり前ではなくなります。
例えば、マラリヤは蚊を媒体とする病気で、世界に2億人の患者がいて、死亡者は年間40万人程度です。世界的に大きな感染症であるため、マラリヤ撲滅キャンペーンが世界的に実施されています。ネパールでも、そのキャンペーンの一環として他の国同様に市民に蚊帳が無料で配布されました。しかし、農村部の人々は、その蚊帳を自分たちに使わず、財源である家畜に使用したのです。

この様に、人々の価値・信念というものは、文化、価値観、人集団、宗教や人種などにより大きく異なります。この様な例では、プログラム実施者からすると、それらが予防活動における「阻害因子」と捉えられがちですが、医療人類学では、それらも含めて包括的に人々のことを理解し、適切な方法(=実施されうる有効な方法)でアプローチすることを目指しています。

予防法や治療などは、それらが正しく理解され、実施されて初めて効果が得られるものであって、受け入れられる手段や形にしなければ、グローバルヘルスは守られないということになります。これはまさに、座学だけでは得られない学びであり、現地に行ってそこに住む人々の生活や、価値・信念を理解すべきものです。

長崎大学ロンドン大学の熱帯医学系に進む人々の半数以上はJAICAなどを通したフィールドワークを経験した人々ですが、私にはその経験がありません。しかし、だからこそ長崎大学のプログラムの中にある8ヶ月間の長期フィールドワークを経験する必要があり、それこそが長崎大学を選ぶ一番の理由です。

そこで学べる様に明日からも頑張ります。

 
今日は、自分に課していた課題である瞬間英作文と、リーディングを1題解くことに加えて、リスニングにも着手することができました。

さて、最近は専門科目の国際保健医療学の勉強も並行しているので、今日読んだ項目「保健人材評価」について考えます。
国際保健の世界では、アフリカをサハラ砂漠より北と南に分けて、サハラ以南の地域を”サブサハラ “と呼びます。なぜ、この様に分けるかというと、南北で国の経済力や医療保健のレベルに大きな差があるからです。サブサハラの地域には、コンゴ共和国、中央ギニアスーダンマダガスカルなど、いわゆる途上国と言われて一般的に想像される地域が含まれます。

この項では、保健人材評価について述べられており、人材評価ということは”質”そのものの評価と思いきや、これらの国々では、保健人材の量が不足しているから、人材の質が落ちているということを喚起しています。

その理由として、保健人材の不足が招く、人材の不適切な配置や偏在は、基礎教育終了後の保健人材に対して、知識や技術を開発、維持、向上するための継続教育が難しいから、ということを指摘しています。つまり、日本であれば、看護師免許をもらった後も、高度な医療を提供する病院に勤め、知識や技術をブラッシュアップすることができますし、その様な教育活動を継続できますが、数的に不足ている地域ではその様な活動さえもなかったり、継続できなかったりするわけです。

この様な質的・数的保健人材の担保のために、現状把握のためのアセスメントツールなどが紹介されていますが、その中には保健人材の地理的配置・収入・基礎教育・ジェンダーの割合や・生産性などが評価項目としてあげられています。

これだけ見ても、この問題にアプローチするのに、統計・経済・教育・ジェンダー・マネジメントの知識が必要ということがわかり、大学院でこれらを英語で学ぶためには、入学前の時点で確かな英語能力が求められることは頷けます。

ということで、明日からも頑張ります。